こんにちは。
ブランディングコンサルタントの堀田周郎(ほりたのりお)です。
突然ですが、映画って面白いですね。
私は中学生の頃からの映画好きで、今でも時間があれば、近くのシネマコンプレックスに観に行ったり、ネットでビデオをレンタルしたりして楽しんでいます。
マクドナルドを奪った男
先日、Amazonプライム・ビデオで「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(原題・The Founder)」という映画を見ました。
この映画は
主人公レイ・クロックが、
マクドナルド兄弟が始めた「早くて、うまいハンバーガーを提供する」画期的なシステムに目をつけ、フランチャイズ契約を結んで全米に店舗展開。しかし、「利益を追求」する主人公と「品質を維持」しようとする兄弟との関係はしだいに悪化。最後は270万ドルを払って、当初の契約を破棄し、主人公がマクドナルドのFounder(創業者)になる...という実話を基にした物語です。
主人公の生き方には
最初、まったく「共感」できませんでした。
長年苦労させた奥さんとは離婚して、 ビジネスパートナーの奥さんと結婚したり、契約解除の際にマクドナルド兄弟と結んだ売上の1%を渡すという紳士協定を反故にしたりするなど、私が最も嫌いなタイプの人間でした。
ネーミングとシンボル
でも、最後のシーンでマクドナルド兄弟が
「最初に店のシステムはすべて公開した。なぜ、そのノウハウを盗んで自分で店を始めなかったのか?」という質問に対して
レイ・クロックは、「システムを真似て店を始めた人間はたくさんいたはずだ。しかし、成功しなかった」「マクドナルドという名前と※ゴールデンアーチが欲しかった」「マクドナルドという名前はいかにもアメリカらしく、人をひきつける響きを持っている」 と答えます。
主人公がどんな手を使っても欲しかったのは「うまいハンバーグをつくるためのレシピ」でも「人件費を抑制するアイデア」「効率化のためのシステム」でもありませんでした。
実際、その後
主人公との再契約で「マクドナルド」の名前を使えなくなった マクドナルド兄弟のマクドナルド1号店は閉店に追い込まれてしまいます。
このラストシーンには
今までモヤモヤしながら見ていた この映画の印象がいっぺんに変わってしまいました。いゃー、良くできた映画でした。(笑)
ブランディングにいかに「ネーミング」と「シンボルマーク」が大切かを教えてくれる名作だと思います。
このラストシーンを見た後は、
離婚の際にマクドナルドの株を妻に譲渡しなかったり、マクドナルド兄弟との売上の1%を渡すという紳士協定を反故したのが、
主人公の「マクドナルドというネーミングと、ゴールデンアーチというシンボルがあればとんでもない発展が見込める」という予測に基づいたことが分かり、彼の経営者としての才覚に畏敬の念を覚えてしまいました。
でも、マクドナルド兄弟が作っていた頃のハンバーガーはうまそうだったなぁ〜。 マクドナルドの今の経営体質の原点が良く理解できた映画でした。
兎にも角にも、経営者の方にはぜひ一度ご覧になることをお薦めします。
※ゴールデンアーチ
シカゴ1号店に設置されていた象徴的な黄色い建造物。
そのアーチの形が「M」に見えることから、今のマクドナルドのロゴマークが完成。
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堀田 周郎

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