こんにちは。
ブランディングコンサルタントの堀田周郎(ほりたのりお)です。
皆さんに質問です?
マーケティングとブランディング。
どちらもよく耳にする言葉ですが、
その意味や違いって、分かりますか?
なんとなく分かるような?
でも言葉では説明しにくい ・・・という方も多いのではないでしょうか?
ウィキペディアとによると
マーケティング(英: marketing)とは、企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念である。また顧客のニーズを解明し、顧客価値を生み出すための経営哲学、戦略、仕組み、プロセスを指す。
ブランディング(英: branding)とは、ブランドに対する共感や信頼など顧客にとっての価値を高めていく企業と組織のマーケティング戦略の1つ。ブランドとして認知されていないものをブランドに育て上げる、あるいはブランド構成要素を強化し、活性・維持管理していくこと。また、その手法。ここでいうブランドとは高級消費財に限らず、その対象としては、商品やサービス、それらを供給する企業や団体のほか、人物・建築物・史跡・地域 ・祭事など、あらゆるものが該当する。
・・・だそうです。
うぅーん、やっぱり分かりにくいですね。
それにこの説明だと、ブランディングはマーケティングの中に含まれてしまいますが、これには少し違和感を感じます。また、著名な経営学の本を読んでも人によって、その解釈はそれぞれビミョーに違っています。
私はその違いを以下のように定義しています。
マーケティングとは
価値を伝えて売るための仕組みづくり
ブランディングとは
心の中に価値を刻み込むためのコミュニケーション活動
ご理解頂けましたか?
えっ、
やっぱり分からない??
言葉で伝えるって本当に難しいですね。
恋愛に例えて理解する
それでは、イラストを使ってその違いについて、少しずつ説明していきたいと思います。マーケテイングやブランディングは「恋愛」に例えると分かりやすいかと思います。
初恋に直面した男の子が、自分がどれほど愛される魅力があるかを片思いの相手に伝えて好きになってもらうというシーンを想像してみてください。
一方的に「好きです。愛してください」と叫ぶだけではだめで、どんな風に伝えれば相手から見て魅力的に思えるかを考えて、女の子の心に刺さるアプローチをしなければ相思相愛にはなれませんよね。(このイラストの男の子は残念ながら失敗すると思います)
これを商売に置き換えたのが「企業が自社の商品やサービスの価値をお客さまに伝えて買ってもらうための仕組みづくり」です。まさしくそれが、マーケティングです。
マーケティング:価値を伝えて売るための仕組みづくり
それに対して、男の子が外見や表情、声のトーン、服装の趣味、普段の発言や行動などによって、相手に良い印象を持ってもらうための行動。商売に置き換えると「自社の商品やサービスに対して良いイメージを持ってもらうために、あらゆる顧客接点を通じて行うコミュニケーション活動」、これがブランディングです。
ブランディング:心の中に価値を刻み込むためのコミュニケーション活動
これらのコミュニケーション活動によって相手の心の中に芽生えた「好意的な感情」が商売ではブランドにあたるといっても良いでしょう。
ブランド:受け手の心の中に生まれた価値
広告は消費者へのラブレター
広告代理店は、価値を伝えるための広告を企業から消費者へのラブレターに例えて、どんなラブレターを書こうか?、いつ渡そうか?どんな風に渡そうか?ということを常に考えています。
- 字の汚いラブレターはダメ
- 親近感を得るためにはヘタ字も有効
- 接触頻度を上げるためにラブレターをできるだけたくさん渡そう
- ラブレターが届きにくくなったので、思いがけないところで不意に渡そう
- 今までに見たこともない感動的なラブレターを演出しよう
でも、よく考えるとラブレター(広告)は価値を伝えるための手段であって、渡す目的は女の子(消費者)に愛していますという自分(企業)の気持ちが伝わって、相思相愛になることだと思います。
だとしたら、あえてラブレターを出さないという選択肢や、自分から告白せずに、女の子が心から信頼している親友(第三者)から、男の子の魅力を間接的に伝えてもらう方が良い結果につながるかもしれません。
これは、ブランディングも同じです。
「伝えたい」と「伝わらせたい」
好きになるか否か?
どの程度好きになるか?
どの部分を好きになるのか?
決定権は100%受け手側にあります。
ですから、ある高級バックがAさんには自分の生き方すべてを象徴するブランドなのに、Bさんにとっては、ただ値段が高いだけのブランド・・・というような差が生まれます。
マーケティングが、ターゲットに価値を「伝えたい」と思って行う活動なのに対して、ブランディングは、ブランドの決定権が相手に100%あることを認識した上でターゲットに価値を「伝わらせたい」と思って行う活動です。
「伝えたい」と「伝わらせたい」
この二つの言葉のニュアンスの違いをご理解頂ければ、マーケティングとブランディングの違いもご理解頂けると私は信じています。
ブランディングを恋愛に例えた説明は、以下のコラムにもっと詳しく書きました。ご興味のある方はご一読いただければ幸いです。(2019.8.12 追記) |
両面から考えることが大事
マーケティングとブランディングは別々のものではありません。また、マーケティングの中にブランディングが含まれているのでもありません。マーケティングとブランディングには、以下のような重なり合った部分があります。
これまでのマーケティングは、販促(セールスプロモーション)を中心に語られてきました。
しかし、モノ余りの現在ではこれに「ブランディング」という考え方をプラスしていかないと、お客さまから商品やサービスを選んで頂けない時代になってしまいました。
私は、このマーケティングとブランディングの両方の考えを基に、価格競争なしで自社商品やサービスを選んで頂けるような仕組みを「アドバンテージマーケティング」と名付け、皆さまにご紹介しています。
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・ブランディング コンサルタント・堀田周郎(兵庫県姫路市)

堀田 周郎

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