こんにちは。
ブランディングコンサルタントの堀田周郎(ほりたのりお)です。
皆さんは11月1日が「ソーセージの日」なのをご存じですか?
知らない?
聞いた事がない?
そうかもしれません。
この記念日は2015年に横芝光町商工会青年部の皆さんが、まちづくり運動の一環として制定(日本記念日協会認定)したもので、まだ知名度は高くないかと思います。
しかし、この記念日制定は「まちのブランドづくり」の事例として秀逸だと私はいつも感心していますし、これからもますます発展していくと思っています。
今回はそんな「ソーセージの日」の話をご紹介させて頂きたいと思います。
ソーセージの父・大木市蔵氏
横芝光町は2006年に千葉県山武郡横芝町と匝瑳郡光町が合併してできた人口約2万人の町です。(こんなことを書くと横芝光町の人に叱られてしまいますが)たぶん全国どこにでもある市町村のひとつで、全国から観光客を呼べる名所旧跡や、名物料理のようなものはこれまでなかったのだと思います。
ところがある時、横芝光町商工会青年部が「日本ソーセージの父」と呼ばれる大木市蔵氏が地元出身者であることに着目しました。
大木氏は日本のハム・ソーセージ業界の発展に多大なる功績を残した偉人です。
▼大木市蔵WEB記念館
http://ham-sausage.com/
そこで、横芝光町商工会青年部は大木氏が残したレシピを参考に、地元産豚肉を使用した「大木式ハム・ソーセージ」を2015年に復刻させました。
そして、我が国の品評会に初めて国産ソーセージが出品されたのが大木市蔵氏のソーセージであったということで、その「第1回神奈川県畜産共進会」開催日の大正6年11月1日にちなんで11月1日を「日本で初めて国産ソーセージが陽の目を見た日」として日本記念日協会に申請し、認定に至りました。
11月1日の「1」をソーセージに見立てたロゴもあります。
[画像は大木市蔵WEB記念館より]
パブリシティ活用は遠回りがお薦めです
「ソーセージの日」の認知度が上がれば、その由来となった大木市蔵氏がクローズアップされ、大木氏が有名になれば、その地元・横芝光町の知名度が上がり、新名物の「大木式ハム・ソーセージ」を食べに横芝光町に訪れる人が増える .....
すごく良くできた設計図だと思います。
こんな方法は回り道すぎると思う人もいるかもしれません。
しかし、パブリシティの活用を考える際には一見遠回りに見える活動の方が、マスコミの立場からは「社会性」「話題性」があって記事にしやすくなります。
- 横芝光町の企業がハム・ソーセージをつくっただけでは記事にはなりません。
- 商工会青年部が地元産豚肉を使用したハム・ソーセージを開発・販売しただけならローカルニュースの話題です。
- 商工会青年部が地元の偉人を顕彰するハム・ソーセージを復刻させた話題ならばテレビを含めマスコミから注目されるようになります。←今ココ!
- 11月1日のソーセージの日が浸透すれば、大木市蔵氏と大木式ハム・ソーセージ、横芝光町、横芝光町商工会青年部は全国から非常に大きな注目を受けることになると思います。
実は、ハム・ソーセージの業界的にはハムの日(8月6日)は、広島に原爆が投下された平和記念日であるため、盛り上がれないという裏事情があります。
大手ハム会社や大手流通グループがこの11月1日の記念日を活用して、「ソーセージの日」が全国的に有名になる日を、今から楽しみにしています。
横芝光町商工会青年部の皆さん、これからも頑張ってくださいね。
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堀田 周郎

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