こんにちは。
ブランディングコンサルタントの堀田周郎(ほりたのりお)です。
皆さんは商品の値段をどうやって決めていますか?
ブランディングを考える際に
価格設定はとても大事な要素となります。
価格をどうやって決めていますか?
一般的には、製造原価(または仕入原価)に必要な利益をプラスして価格を決めたり、競合商品の市場価格を考慮して決定するケースが多いと思います。
しかし モノ余りと言われている今、
例えば原価600円、売価1,000円の商品を売れないからといって原価割れの500円にしても、お客さまが不要だと思えば全く売れないし、ひょっとすると無料でも引き取ってもらえないかもしれません。
逆に、1,500円にしても欲しいと思えば、飛ぶように売れることがあります。
また、価格は商品購入の判断材料のひとつです。
お客さまは3,000円だからこれくらい、5,000円だからこれくらいの価値があるだろうと判断する場合があります。
全く売れなかった商品の値札に間違って「0」をひとつ余計に付けたら売れてしまったという事例を聞いたことがあります。もちろん、すぐに訂正したそうなのですが、これって顧客心理を考える上で面白いと思いませんか?
ですから、逆に安すぎて売れないというケースも考えられます。
本物のシャネルのバックに5,000円の値札をつけたら、たぶんニセモノだと判断されるのではないでしょうか?
価格とは「商品の価値宣言」です。
売れないからといって安い値段をつけることは、
「私の商品はこの程度の価値しかありません」とお客さまに宣言しているのと同じ事になります。
価格は客層を決める
今回のブログを書いていて
昔、姫路城の近くにあった温泉施設を思い出しました。
このお店は入泉料1,800円。18歳未満のお断りの大人が楽しめる(←変な意味じゃありません)温泉施設をめざしていました。
しかし、姫路の地ではその価格設定が認められず、価格は 1,800円 → 1,300円 → 800円 → 350円 → 800円、年齢制限も 18歳以上 → 13歳以上 → 8歳以上 → 撤廃 と迷走を重ねました。
この時、私の印象に深かったのは、入泉料を350円にした時の事です。さすがにここまで安くすると客層はガラリと変わりました。なんと、姫路城周辺のホームレスが銭湯代わりに使用したり、近所の中学生が長時間カードゲームをするために訪れるようになりました。
すると、店内の雰囲気は一変。
入泉料1,800円の頃に来ていた、入浴以外に飲食やマッサージ等でたくさんお金を落としてくれた客層の姿は全く見られなくなりました。これには施設側も慌てたようで入泉料を800円まで戻しましたが、後の祭りでした。
今となっては結果論に過ぎませんが、当初の1,800円を維持して、その価格設定に見合った価値をお客様に提供できる温泉施設をめざすべきだったと思います。
ブランドとは
お客さまの心の中に刻み込まれた価値のことです。
ブランド本来の価値が伝わらない段階で、安売りするのは自分のブランド価値を下げてしまう行為なので注意が必要です。
「安い」はNGワードです
また、競合他社が1,000円で売っている商品を800円で販売したらよく売れたのに、原価が高騰したので1,000円に値上げしたら全く売れなくなったということもあります。これはお客さまの視点からみると「安いから買うけど、高いならいらない」という事だと思います。当然ですね。
また、ブランド構築の段階で最初に「安い」というキーワードを価値として提供してしてしまうと、後々そのイメージを払拭するのに時間と労力がかかってしまうので注意が必要です。
「安いけど高品質の衣料品小売チェーン」「うまい、安い、早いでお馴染みの牛丼屋」「59円で売ってしまったハンバーガーショップ」が、少しでも値上げすると苦戦しているのはその為だと私は思っています。
安く売ることは悪いことではありません。
しかし、ブランドコンセプトに
「安い」というキーワードはNGワードです。
どんなブランドとして見られたいのか?
このテーマを考えるときに
価格設定は慎重に行わなければいけない課題です。
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・ブランディング コンサルタント・堀田周郎(兵庫県姫路市)

堀田 周郎

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