こんにちは。
ブランディングコンサルタントの堀田周郎(ほりたのりお)です。
商品が売れなくなる理由のひとつに「お客さまから忘れられる」というものがあります。
「○○と言えば××」と、常に一番最初に思い出してもらえるように、ブランディングではお客さまとの関係性を深め、それを維持する事が大事です。
そこで、今回は「お客さまと関係を築く方法」について考えてみたいと思います。
接触頻度を高める
ブランディングは「恋愛」に似ています。
好みじゃない人、しつこい人からの告白は嫌われるように、お客さまにとって興味のない企業からのアプローチは迷惑ですし、好意を持っている企業でも、売り込みばかりだと逆効果になる場合があります。
お客さまと商品・サービスおよび企業との接点は多岐にわたりますが、お薦めなのは Facebook、Twitter、InstagramといったSNSの活用です。
SNSで発信される情報の選択権はお客さま側にあるので、ごく自然な形で接触頻度を上げる事ができます。
接触頻度が上がれば、ブランドに対する「好感度」も上がり、やがて「共感」が生まれます。
また、SNSは共感を「拡散」させるための最高のツールです。
お客さまは企業からの広告より、友人や家族からの推薦やネット上のクチコミを信頼するようになりました。
信頼度ランキング1位は友人、家族からの紹介 83% 広告信頼度グローバル調査 2015年9月nielsen |
しかし、SNSは五感のうち視覚と聴覚でしか、ブランドの価値を伝える事ができず、その効果には限界があります。
そこで、お客さまの共感を得るためにはSNSだけではなく、接客、店舗、販促物、イベント、クチコミ、広告、パブリシティーといったすべての顧客接点を通じて、価値を伝えなければいけません。
関係を築くためには、コミュニケーションの「質」と「量」が必要です。
一貫性を保つ
意見がコロコロ変わる人や、八方美人な人が信頼されないように、ブランドも一貫性を保つことが大切です。
一貫性を保つことで、ブランドへの「信頼」と「共感」が生まれます。
しかし、ブランドへの信頼や共感はちょっとした油断から崩れてしまいます。
そこで、ブランドの価値や目標をまとめたブランドブックを作成するなどして、社内のすべての人が、ブランドを理解し、ブランディングの担い手であるという意識を持つ必要があります。
また、企業活動を続けていくと、どうしても利益追求のためにブランドの約束を破りたくなる誘惑にかられる事もでてきます。
ブランドの一貫性を保つためには、ブランドの「コンセプト」や「行動指針」を最初に決め、それをブランドの憲法として守り抜くことが大切です。
コミュニティをつくる
共感する人と人とがつながると「コミュニティ」が生まれます。
もし、マス広告に使う「経費」があるのなら、コミュニティを育てる「投資」に回す方がブランディング効果があります。
エルメスやシャネル、ルイヴィトンといった高級ブランドは、得意客を対象としたパーティーを開催し、招待客の「自分は選ばれた人間である」という承認欲求を満たすことで、ブランドへの帰属意識を高めています。
もちろん、コミュニティの場は豪華なパーティー会場でなくても大丈夫です。
食事会や体験会など、ブランドとお客さまが楽しく交流できる企画であれば参加費をとっても問題ありません。
逆にお金を払ってでも参加してくれるファン客に、参加費以上のブランド体験を提供する方が正解だと思います。
- 神奈川県藤沢市で養豚業を営んでいる株式会社みやじ豚では毎月、みやじ豚を使った野外バーベキューを開催する事で、ブランド豚肉の認知度を高めています。
- 兵庫県姫路市の酒蔵・本田商店では、在来種の酒米・神力米を知ってもらおうと神力米の田植えと稲刈りイベントを開催する事で顧客との交流を図っています。
近年、ブランディングは企業からの一方通行ではなく、お客さまと共につくりあげるものに変化してきました。
強いブランドには、それを支えるファン客の存在が必ずあります。ぜひ、コミュニティづくりにチャレンジしてください。
お客さまの役に立つ
ファイナンシャル・プランナーを仕事にしている知人の話です。
ある時彼は、年金生活をしている高齢の男性から「保険の支払いが高額なので解約を検討している」という相談を受けました。
最初は、相談者の健康状態から「継続」をアドバイスしましたが、奥さんと話をしているうちに相談者が8年前に高度障害状態になったにも関わらず、不当に保険金の支払拒否と住宅ローンの免除拒否されている事に気づきました。
そこで、医師の診断書を添えて保険金の再請求をしたところ、相談者は保険金、既払保険料、既払住宅ローン、利息を合わせて3,430万円の還付を受ける事ができました。
いい話ですねぇ~。
もし、私がその相談者の立場なら、恩人の彼が薦める商品なら無条件で購入してしまうと思います(笑)
商品やサービスの提供を通じて、お客さまの役に立つ
これが、お客さまとの関係をつくる一番の秘訣かもしれません。
逆に、商品やサービスに問題があるのに 人間関係が親密だと「知り合いなので文句が言いにくい」といったデメリットが出てきます。
「信頼感」があってこそ、お客さまとの関係は成り立ちます。
「商品力」があってこそ、お客さまとの関係は成り立ちます。
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ブログの冒頭で、ブランディングは「恋愛」に似ていると書きましたが、告白して相手にその想いが届いたとしても、それはゴールではなくスタートラインです。
ブランディングも売った後が本番です。
お客さまとの関係性を深め、売れ続ける仕組みを築く事が大切です。
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・ブランディング コンサルタント・堀田周郎(兵庫県姫路市)

堀田 周郎

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