こんにちは。
ブランディングコンサルタントの堀田周郎(ほりたのりお)です。
ブランドを識別させる要素として「ネーミング」「ロゴ」「カラー」「メッセージ」「パッケージ」などがあります。
ブランディングでは、ターゲットにブランドのイメージを記銘(覚える)、想起(思い出す)してもらうために、これらの要素をフル活用します。
今回は、その中の「ロゴ」を中心に書いてみたいと思います。
想像してみて下さい
目をとじて想像してみて下さい。
貴方に子供が生まれました。まず、最初に何をしますか?
名前をつけますよね。
でも、誰も子供に名前をつけなかったらどんな状況になるでしょうか?
世の中の人が、子供を「あの子」「この子」としか呼ばなかったとしたらどんな状況になるでしょうか?
極端かもしれませんが、
これが、ブランドに「ネーミング」が必要な理由です。
ブランドの基本コンセプトがまとまったら、自分の子供に名前をつけるように、愛情をもってブランドに名前をつけてやって下さい。
関連記事:ブランド構成要素でネーミングは最重要 |
では、もう一度想像の世界に戻って下さい。
その子供は成長して、幼稚園に通うようになりました。しかし、幼稚園には1000人の子供がいます。「髪が長いか、短いか?」「背が高いか、低いか?」「太っているか、痩せているか?」だけでは、貴方の子供をすぐに見つけることができません。
ところが、貴方の子供だけ「海賊の帽子」をかぶり「赤い服」を着ていたらどうでしょうか?
ひと目で見つけることができます。
また毎日、同じ格好の服装を続けていたら、
誰がどこで見かけても、貴方の子供だと識別できると思います。
そして、その服装から子供の性格も、なんとなくイメージできるのではないでしょうか?
これが、ブランドに「ロゴ」が必要な理由です。
伝えたいイメージに合っているか?
しかし、この子供の「海賊帽」「赤い服」といった見た目のイメージと、本人の「発言」や「行動」が全く違っていたらどうでしょうか?
恐らく、会った人は違和感を感じると思います。
ロゴも、企業や商品・サービスのイメージに合わないと、人は違和感を感じます。
もちろん、
生まれた時点で、子供の成長した姿を予想するのは無理があります。
しかし、ブランディングでは
「誰に」「どんな価値を伝えて」「どう感じて欲しいのか?」というコンセプトを最初にしっかり決めていれば、理想のブランドに相応しい姿と立ち振る舞い方の正解像は見えてくるはずです。
ロゴは、ブランドの持つ価値観やメッセージをデザイン化したものです。
ですから、デザイン的に綺麗というだけでロゴを決めてはいけません。
また、ロゴは「シンプル」なデザインが、私は良いと思っています。
- シンプルなロゴは長期の使用が可能です
- シンプルなロゴは色々な場面で使用が可能です
- 流行のデザインは時間と共に陳腐化します
- 奇抜すぎるデザインは時間と共に陳腐化します
- シンプルなロゴは縮小してもブランドの判別が可能です
- シンプルなロゴは単色でもブランドの判別が可能です
さらに、ロゴのデザインに込められた「物語り」があれば、それを知ったターゲットの心により深く価値を刻み込む事ができますし、上手くいけばクチコミで拡散していくかもしれません。
ロゴの色について
ロゴに何色を使うか?というのも、大切なポイントとなります。
赤色は「情熱」「興奮」「危険」
橙色は「活気」「健康」「親しみ」
黄色は「活発」「陽気」「幸せ」
青色は「清涼」「信頼」「冷静」
緑色は「エコ」「安らぎ」「安全」
紫色は「高貴」「神秘」「不安」
茶色は「自然」「オーガニック」「大地」
桃色は「女性らしさ」「かわいい」「エロチック」
黒色は「格調」「高級感」「悲しみ」
白色は「純粋」「シンプル」「無垢」
といった具合に、
色は、それぞれ独自のイメージを持っています。
また色は、コカコーラの「赤」とペプシコーラーの「青」のように、その違いによって同業他社との差別化を図ることが可能です。
色は、組合せによって、赤白青のトリコロールは「フランス」、黒地に金文字は「高級」といったように特定のイメージを伝える事が可能です。
色は、国や地域、性別、年齢によって好みに違いがあります。
これらを考慮しながら明確な意思を持ってロゴの配色を決める事によって、ブランドの持つ価値観やメッセージを、よりターゲットに伝える事が可能になります。
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ロゴは、ブランドの象徴です。
ロゴデザインの失敗はブランディングの失敗につながります。作成は、プロのデザイナーにまかせるとしても丸投げは厳禁です。
ブランドロゴを通して、「誰に」「どんな価値を伝えて」「どう感じて欲しいのか?」という基本コンセプトは、 デザイナーに発注する前に、企業の責任ある立場の人が最初に確定しておくべきだと思います。
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・ブランディング コンサルタント・堀田周郎(兵庫県姫路市)

堀田 周郎

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