こんにちは。
ブランディングコンサルタントの堀田周郎(ほりたのりお)です。
皆さんは商品・サービスを商標登録していますか?
日本の商標制度は先願主義です。
ずっと以前から使い続けている名前でも、
先に登録されると使用できなくなります。
ある日突然、内容証明郵便が届いて「永年使用していた商品名が使えなくなった」という事がないように、商標登録でブランドを守ることをお薦めします。
なぜ、商標登録しないのか?
商標登録は 面倒くさい。費用もかかるので必要になってから出願すればいいや・・・なんて考えていませんか?
恥ずかしながら、実は私も1年前まで自社ブランド「播州ハム」について
- 「地域名」と「普通名称」を組み合わせた文字だけの商標は登録できない
- 他社の出願があれば、使用年数と認知度を理由に反論すれば良い
と、考えていました。
しかし、廃業後はブランド名を無断使用されても文句が言えない考え、弁理士を通じて「播州ハム」をロゴマークとして商標登録しました。
その後は勉強も兼ねて、新社名「HAM」と 新サービス名「アドバンテージマーケティング」の商標を自分で出願しました。
出願方法と費用
商標登録をするには、その道のプロである弁理士に頼む方法と、自分で出願する方法があります。
自分で出願するメリットは
「費用の節約」です。
出願方法はネット検索すれば出てきます。
ネット情報では、権利範囲を押さえるための区分(商品が属するカテゴリー)の選択が難しいとありましたが、調べれば簡単に分かりました。
また不明な点は、特許庁に電話すれば丁寧に教えてもらえます。
弁理士に頼むメリットは
「手間の軽減」と「拒絶理由通知への対応」です。
今回の「播州ハム」出願のケースでは
出願から半年ほど経って、拒絶理由通知書が届きましたが、弁理士の意見書によって無事登録受理となりました。
費用は1区分だと
- 自分で出願した場合は、出願料12,000円+電子化手数料1,900円+登録料28,200円の計42,100円
- 弁理士経由の場合は、出願料12,000円+出願手数料35,000円+電子化手数料5,000円+消費税3,200円+登録料28,200円+登録手数料12,960円の計96,360円
でした。(弁理士費用は様々です)
登録料は10年分なのでプロの弁理士に依頼したとしても、年間1万円弱。
冷静に考えてみると、なぜこの程度の費用を惜しんで 大きなリスクを抱えていたのか?と自分のこれまでの判断ミスを恥ずかしく思っています。
ブランドを失うリスク
ある日、警告書が届いて、自社ブランドの名前が使えなくなった事例をよく聞きます。「知名度が上がった頃に突然、内容証明郵便が届いた」「印刷物がすべて使えなくなった」「損害賠償を請求された」と、警告書を受け取った社長さんは異口同音に嘆かれます。
もちろん、弁護士や弁理士を立てて反論することも可能ですが、余計な時間と費用がかかります。
また、店名も商標登録するべきです。
会社法の「商号」として守られる範囲には限界があります。店が繁盛し、知名度が上がると悪意のある競合他社が類似の店舗名を使用する話はよく聞く話です。企業防衛のためにもぜひ検討することをお薦めします。
私は、ネーミングが決まった時点で、できるだけ早く商標登録するのが正解だと思います。(すでに他社が同ブランド名で出願済みの場合もこの時点でトラブル回避できます)
さらに、海外進出を考えている企業は、その国の商標登録も同時に登録申請する必要があります。
ブランドを守る
これを怠ると、築き上げてきたモノを一瞬で失うことになってしまいます。くれぐれもご注意ください。
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・ブランディング コンサルタント・堀田周郎(兵庫県姫路市)

堀田 周郎

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