こんにちは。
ブランディングコンサルタントの堀田周郎(ほりたのりお)です。
2015年12月。野村総合研究所が、英オックスフォード大学のマイケル A. オズボーン准教授らとの共同研究により、10~20年後、日本の49%、米国47%、英国35%の職業が、機械や人工知能によって代替することが可能だとする衝撃の分析結果を発表しました。
日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に(野村総合研究所) |
皆さんは 明日、
自分の職業がなくなる危機感を持っているでしょうか?
永遠に続く商売はない
我が家の昔話です・・・・
姫路藩の下級武士だった
私の曾々おじいさん・堀田孫次郎が
明治維新という時代の大変革期に選んだ職業は「氷屋」でした。
当時の氷屋は、冬場に採氷した天然氷を氷室(ひむろ)に貯蔵し、需要が高まった夏場に高値で売るというビジネスモデルでしたが、機械製氷が主流となると商売の主力を「材木屋」へと転換しました。
その後、私のおじいさん・堀田保次郎は、
終戦という大転換期を経て、昭和25年に材木屋から「ハム屋」へ転業。そして私は平成28年にハム屋から「コンサル」へと転業しました。
時間軸はどんどん加速を早めています。
以前、企業の寿命は
30年と言われていましたが、その後、グローバル化やネットワーク化によって今では10年を切った言われています。これまでと同じ形態では、大企業でも生き残れない時代になりました。
自社のビジネスモデルや存在価値を
今一度、見つめ直す時期に入ったと思います。
Amazon、Googleの驚異
インターネットの発達により
新しい業種・業態が出現しました。
その中には、商売の場所をインターネットに移しただけでなく、発想が極めてインターネット的な企業も数多く誕生しました。
その代表格がAmazonとGoogle です。
Amazonは「すべての商品・サービスを買える店」を、
Googleは「全世界すべての情報のデジタル化」をめざしています。
Amazon
Amazonはネット書店からスタートしましたが、今では家電、アパレル、食品の販売から、電子書籍や映画のダウンロードもできる世界一のネットショップとなりました。
Amazonのプライム会員になると多くの映画やドラマ、アニメを無料で見ることができます。映画好きの私にはたまらないサービスですが、TSUTAYAはこの先どうなるのだろう?と心配になります。
また、プライム会員には送料無料やお急ぎ便というサービスもあるので、楽天ダイヤモンド会員だった私の友人は「最近、ネットでの購入はAmazonとメルカリだけになった」と言っています。
さらに、販売はネットだけに留まりません。その勢いはリアルへと拡大しようとしています。
・レジのない無人コンビニ「AmazonGo」
・生鮮食品などを最短4時間で配送する「AmazonFresh」
・ネット予約した商品を実店舗へ取りに行くと、スタッフが持ってきて車に積んでくれる「AmazonFresh Pickup」
・音声コマンドに対応したスピーカー「Amazon Alexa」を家電機器等で使うための機能の公開
・リアル書店「Amazon Books」
先日、ヤマト運輸が 労働環境改善を理由に 運賃や業務の見直しを発表しました。当面はAmazonも影響を受けますが、物流もいずれは自社で構築する事になると思います。実際、アメリカではUSPおよびFedExとの契約解除をすでに検討中です。
家電に組み込まれたAlexaから注文すると、自宅近くの AmazonGo から自動運転車やドローンであっという間に商品が届く・・・これが、実現すれば 流通完全制覇 ですね。
近い将来、日本中の物販会社が「我が社のライバルはAmazon」という日が来るかもしれません。
Googleは 検索エンジンの世界で圧倒的な存在感を持つようになり「Googleで検索して出てこない会社や商品は この世の中に存在しないのも同じ」という状況になりつつあります。
Googleは その他にも多くのサービスを提供しています。
- SNS「Google+」
- 価格比較サービス「Google shopping」
- Webブラウザ「Google Chrome」
- 翻訳サイト「Google 翻訳」
- 地図検索・表示機能「Google マップ」
- メールサービス「Gmail」
- 動画共有サイト「YouTube」
- ウェブ解析ソフト「Google Analytics」
まだまだたくさんのサービスがありますが、これらをGoogleは「無料」で提供しています。広告料収入があるにしても今までの発想ではちょっと考えつかないビジネスモデルだと思います。
彼らが欲しているのは「世界中すべての情報」です。
あの ポケモンGOも、位置情報や写真情報がGoogleに収拾されていると聞いた事があります。
Googleは、そのビックデータを集め 整理することによって新たな価値の創出をめざしています。そして、世の中の情報を掌握した時「世界のスタンダード」を決める事のできる企業となり、国家や民族の枠を超えた特別な存在になります。
Googleは神になるのか、悪魔になるのか?
Googleの行動規範 「Don’t Be Evil(邪悪になるな)」「Do The Right Thing(正しいことをやれ)」が真実であることを心から願っています。
独自の価値はありますか?
このブログの冒頭で紹介した「10~20年後、日本の労働人口の49%が人工知能等で代替可能」という予想は、AmazonやGoogleの動きを見ていると5年以内に実現してもおかしくないと思っています。
私自身の最近の事例でも
- 転業に際しての必要書類は Googleで検索して自分ひとりで作成できました。
- 事務用品はAmazonから購入するようになりました。
- 新聞は購読していますが、必要な記事はスマホで閲覧する方が多くなりました。
これは、少なくとも私に関しては「司法書士」「行政書士」「社労士」「文房具店」「新聞配達」という職業がここ数ヶ月の間に不要になったという事です。
また、最近のニュースに目をやると
- アメリカのウォルマートやメイシーズといった大手小売業者が系列の店舗を大量に閉鎖しはじめました。
- カメラのキタムラがスマホの普及やプリントの不振により店舗を大量に閉鎖しました。
- スマートフォンのフリマアプリ「メルカリ」の登場によって、中古本最大手のブックオフの苦戦が報じられています。
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世の中は変わりました。
皆さんにその認識はあるでしょうか?
皆さんのビジネスは
時代の変化に対応しているでしょうか?
皆さんの取り扱う商品やサービスに、
独自の価値はあるでしょうか?
そして、その価値はお客さまにとって、
同業他社より価格が高くても欲しいと思えるようなモノでしょうか?
目を閉じて、自問自答してみてください。
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・ブランディング コンサルタント・堀田周郎(兵庫県姫路市)

堀田 周郎

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